大事なメッセージを運ぶ時、
ケータイはいつもけたたましい。



  友人の妊娠。


  おじいちゃんの死。




 ―妊娠


身近な友人の中では初めての妊娠。
とてもソワソワした気分で。
妊娠がこんなに幸福な出来事だなんて
初めて知った。


ただ生まれてくるだけで
喜びを与えられるなんて。


喜びをありがとう。
君の誕生を心待ちにしているよ。




 ―死



二度と会えないことは悲しいけれど
あれだけ沢山の人がお葬式に来て下さったコトからも
おじいちゃんの人生は満ち満ちていた気がするし
最期もわりあい安らかだったから
誤解を恐れず言うならば「よかった」とすら思う。


おじいちゃん


たくさんの恩恵をありがとう。


あたしの近況を聞く度に
「そうか」
と満足そうに笑顔をくれたおじいちゃん。
行きつけのラウンジで
特製パフェを御馳走してくれたおじいちゃん。


たくさんの人を支え続けた
その器の大きさとか優しさとか厳しさとか
それによっておじいちゃんが得た人徳とか
今のあたしには大き過ぎて
仰ぎ見てる間に首が疲れちゃいそうな位だけど
大切なモノをたくさん見せてくれてたんだね。


わたしはおじいちゃんを失って
家族を得たと思ってます。


尊敬の念とか人徳とか繋がりとか支えあいとか
そんなコトを学ばせてもらったからかな。


変な話だけど
安らかな気分でさえあるんだよ。


これからも、見守っててね。