炉開き茶事。
それは、寒い季節を迎えるためのティパーティ。


待合のお軸は御所で拾ってきた落ち葉で。

大嫌いで、目を瞑るようにして過ごしてきた冬だけど、
みんなのあったかい心を合わせて、大きな愛を作っていきたい。


お茶室のお軸。

すべては歴々と明らかで、堂々と表れている。
仏法とは、そんなに難しいものではなくって、
そのままの姿こそが真理であり、仏さまなんだよ、の意。


今回のテーマの発端は友人のダンス公演で大きな感動を得たことでした。

どんなに打ちのめされても、たとえ弱っていたとしても、
繰り返し、繰り返し、生きようとする花。
風が吹けば風が吹く通りに転がるし、
暗闇から這い上がれれば自然と喜びが表情をつくる。


そこには何の意図もなくて、ただ自然の摂理や本能に従うモノがあるだけ。
そのことがこんなに美しいとは思いもしませんでした。


そのままの姿がこんなにも美しいということを
掬い取って見せてあげたくて、

それがお茶でなら出来るかもしれない。


お手製茶杓

銘は「登竜門」。
竜になるってホントにホントに大変です。。


字を書いて、茶杓を削って、
その難しさ、楽しさを知る。


できない、恥ずかしい、もうやらない。
ということは、とても簡単だけど、
それを通り越した、伝えたい想いが、ある。


初めての茶事亭主。
出来なかったことがほとんどで、
悔しくて涙がこぼれた。


それでも、お客さんたちは、
五感をフルに楽しませて貰った、
今回のお茶事で自分のお茶への向き合い方が変わった、
日常の忙しさを忘れることができた、と言って下さった。


亭主側の手伝いをしてくれた小学生の、多感な時期の女の子。
お菓子を手作りしてくれた。
上手くいかなくてイライラしたけど、
お客さんが喜んでくれたと聞いて、嬉しかった、
と、正直な想いを明かしてくれた。


だから私は歩き続ける。