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ゴダールのマリア
Je vous salue,Marie/Le Livre de Marie
(1984)
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
ジョゼフはタクシーを飼いならし
ガブリエルは飛行機でやってくる
現代版・処女懐胎。
それを
聖なる物語だなんて
綺麗に語るべきじゃない。
乙女・マリーにとって
夫・ジョゼフにとって
聖なる子を宿すという
神の思し召しは
大いなる暴力だったに違いない。
そう。
神は時に
こちらが損なわれてしまう程に
暴力的だ。
だが、
その暴力は受け入れるべき暴力であり
それを受け入れる強さを手に入れた時
人は聖なる存在を産み出すことが
出来るのかもしれない。