<夢>を、口にした。
もちろん、泣きながら。
この日が来ることはわかっていた。


涙は、
この力強い<夢>が、私の中にしっかりと根をはって
植えつけられてしまっていることへの困惑であり、<夢>が、おとぎ話のようでありながら全くの現実であったことへの恐怖であり、
あまりに純粋な<夢>を守るための浄化作業だった
と思う。


ずっと、パーフェクトになりたいのだ、とも、話した。
「既に、パーフェクトじゃないか」


完璧でなくていいのだよ、と言ってくれる人たちはいたけれど、
既に完璧だ、なんて言われたことはなかったと思う。
少なくとも、すんなりと私に沁みこんだのは、初めてだった。


いくら完璧でなくていいと言われても、
欠けているのであれば補わなければならなかったし、
どこまでいけば完璧になれるのかもわからなかったから、
途方もない旅の中で、すれきれる程にMAXであると自覚できた瞬間にのみ、
私は私を許してきていたように思う。


「到達」と「完璧」は異なっていて、
「今」「ここ」にある「私」において、
私は完璧なのだと気づいた。


ただ、歩めばいいだけだった。