2009-06-21 ■ 読み人 薄く金メッキされた小箱をもっていた。 表面に散りばめられた、ダイヤモンドみたいにカットされた小さなガラス達の感触を 確かめるようにしてよく撫でた。 中にはビーズやおはじきを入れていて、 だけど私は上手にそれらを使えなかったから そっと確かめるばかりだった。 蓋の反対側には小さな鏡が付いていたけれど、 それに自分を映しこんだ思い出はあまりなくて、 小さな鏡ごしでさえ、キラキラ光る私の宝物を愛でることを楽しんでた。 そんな心地で、私はページをめくる。